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外壁塗装の耐用年数は30年もある?長持ちさせるコツを紹介

外壁塗装の耐用年数が30年というのは本当?現実には10~20年が目安です。この記事では、塗料の耐用年数の真実と、30年放置した場合の深刻なリスクを徹底解説。

大切な家を長持ちさせるための適切なメンテナンス時期や、プロが実践するコツもご紹介します。

目次
  1. 外壁塗装の耐用年数は30年?
    1. 国税庁が発表している耐用年数
  2. 外壁の部位ごとの耐用年数
    1. 塗装
    2. 外資材
    3. シーリング
  3. 30年以上外壁塗装をしていない場合に起こり得る症状
    1. ひび割れ
    2. 腐食
    3. 雨漏り
    4. 害虫の侵入
    5. 耐震性の悪化
  4. 外壁塗装を行う適切なタイミング
    1. 劣化症状が確認できる場合
    2. 塗料の耐用年数を迎えた場合
    3. 外壁塗装に適している季節を迎えた場合
  5. 外壁塗装の耐用年数が過ぎた場合に必要な工事
    1. 塗り替え工事
    2. シーリング補修
    3. 外資材の交換工事
  6. 外壁塗装の耐用年数をできる限り長くするコツ
  7. 外壁は年数にこだわらず定期的なメンテナンスが重要

外壁塗装の耐用年数は30年?

現在の日本の気候環境や一般的な住宅事情において、外壁塗装の耐用年数が30年というのは、非常に稀なケースであり、現実的ではありません。

確かに、近年では技術開発が進み、無機塗料などを中心に「期待耐用年数20年~25年」、中には30年と謳う超高耐久の塗料も登場しています。しかし、これはあくまで特定の条件下における塗料メーカーの期待値であり、お住まいの実際の寿命(ライフサイクル)を保証するものではないのです。

一般的に、日本の住宅における外壁塗装の塗り替え時期の目安は、10年~20年と考えていただくのが最も現実的です。

なぜなら、お住まいの外壁は、塗料だけでできているわけではないからです。外壁材そのもの、そして部材の隙間を埋めるシーリング(コーキング)にもそれぞれ寿命があり、これらが先に劣化してしまうと、いくら塗料が高性能でも意味がありません。

また、耐用年数は日当たりや風雨の強さ、地域の気候といった立地環境に大きく左右されます。常に紫外線や潮風にさらされる環境では、メーカーが示す期待耐用年数よりも早く劣化が進むのが一般的です。

国税庁が発表している耐用年数

外壁塗装の耐用年数について調べると、「国税庁が定める耐用年数」という言葉を目にすることがあります。国税庁の「減価償却資産の耐用年数表」を見ると、例えば木造住宅は22年、鉄筋コンクリート造の住宅は47年といった年数が定められています。

しかし、これは税法上の「法定耐用年数」であり、建物の物理的な寿命や、メンテナンスが必要になる時期を示すものでは全くありません。法定耐用年数とは、あくまで会計処理の上で、その資産の価値が何年でゼロになるかを計算するための基準値です。

「法定耐用年数=メンテナンス不要な期間」と誤解しないよう、注意が必要です。

外壁の部位ごとの耐用年数

お住まいの外壁は、様々な部材が組み合わさってできており、それぞれ寿命が異なります。外壁全体の健康を考える上では、部位ごとの耐用年数を理解しておくことが重要です。

塗装

外壁の表面を覆い、美観と保護の役割を担う「塗装(塗膜)」の耐用年数は、使用する塗料のグレードによって大きく変わります。

  • アクリル塗料: 5~8年
  • ウレタン塗料: 8~10年
  • シリコン塗料: 10~15年(現在最も主流)
  • ラジカル制御型塗料: 12~16年
  • フッ素塗料: 15~20年
  • 無機塗料: 20~25年

「耐用年数30年」と謳われるのは、この中でも最高ランクの無機塗料などに限られますが、前述の通り、実際の環境下ではこの年数よりも短くなるのが一般的です。

外資材

塗装の下にある、建物の壁そのものである「外壁材」にも寿命があります。

  • 窯業系サイディング: 20~40年(塗装メンテナンスが前提)
  • 金属系サイディング: 20~40年(塗装メンテナンスが前提)
  • モルタル: 30年以上(塗装メンテナンスが前提)
  • ALCパネル: 40年以上(塗装メンテナンスが前提)

外壁材自体の寿命は長いものが多いですが、これは10年~15年周期で適切な塗装メンテナンスが行われることが大前提です。塗装が劣化して防水機能が失われると、外壁材は水分を吸収してしまい、反りやひび割れ、内部の腐食を引き起こし、寿命を大きく縮めてしまいます。

シーリング

サイディングボードの継ぎ目や、窓サッシの周りを埋めているゴム状の部材が「シーリング(コーキング)」です。これは、建物の防水性と気密性を保つ上で非常に重要な役割を果たしています

シーリング(コーキング): 5~15年

注目すべきは、シーリングの耐用年数が、主流であるシリコン塗料の耐用年数よりも短いという点です。シーリングは紫外線に弱く、5~10年ほどで硬化し、ひび割れや肉痩せといった劣化症状が現れ始めます。

この劣化したシーリングを放置すると、そこから雨水が壁の内部に侵入し、雨漏りや構造体の腐食といった深刻な問題を引き起こします。そのため、外壁塗装を行う際には、このシーリングの「打ち替え」や「増し打ち」といった補修工事を同時に行うのが一般的です。いくら高耐久な塗料を使っても、シーリングが劣化してしまっては意味がないのです。

30年以上外壁塗装をしていない場合に起こり得る症状

もし、新築から、あるいは前回の塗装から30年以上、一度もメンテナンスをしていないと、お住まいはどのような状態になっているのでしょうか。そこには、見た目の問題だけではない、深刻なリスクが潜んでいます。

ひび割れ

塗膜の防水機能は完全になくなり、外壁材そのものがむき出しの状態になっています。乾燥と湿潤を繰り返すことで外壁材は伸縮し、無数のひび割れ(クラック)が発生します。特に、構造の動きに起因する大きなひび割れは、建物の強度にも影響を与えます。

腐食

劣化したシーリングや外壁のひび割れから、雨水が壁の内部へと侵入し続けます。壁の内部には、断熱材や木材の柱・梁といった重要な構造体がありますが、これらが湿気によって腐食し始めます。断熱材が濡れると断熱性能が著しく低下し、夏は暑く冬は寒い家になってしまいます。

雨漏り

壁内部への雨水の侵入が許容量を超えると、ついに室内の壁や天井にシミとなって現れます。これが「雨漏り」です。雨漏りが発生しているということは、壁の内部では腐食がかなり進行している証拠であり、修繕には大規模な工事と高額な費用が必要になります。

害虫の進入

壁内部が腐食し、湿った木材は、シロアリなどの害虫にとって格好の餌食となります。シロアリは建物の土台や柱を食い荒らし、家の強度を内部から蝕んでいきます。また、壁の隙間からゴキブリやネズミといった害虫・害獣が侵入するケースもあります。

耐震性の悪化

雨水の侵入によって柱や土台が腐食したり、シロアリ被害に遭ったりすると、建物の構造的な強度は著しく低下します。これにより、地震が発生した際に、本来の耐震性能を発揮できず、倒壊に至る危険性が非常に高まります。外壁のメンテナンスを怠ることは、そこに住む家族の命を危険にさらすことに直結するのです。

外壁塗装を行う適切なタイミング

深刻な事態に陥る前に、適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要です。その目安となる3つのサインをご紹介します。

劣化症状が確認できる場合

ご自宅の外壁に、以下のような症状が現れたら、それは塗り替えを検討すべきサインです。

  • チョーキング現象: 壁を手で触ると、チョークのような白い粉が付く。塗膜が劣化している証拠。
  • ひび割れ(クラック): 塗膜や外壁材に割れ目が入っている。
  • 塗膜の剥がれ・膨れ: 塗膜が素地から浮き上がり、剥がれている。
  • シーリングの劣化: シーリングにひび割れや肉痩せが見られる。
  • カビ・苔の発生: 外壁が緑色や黒っぽく変色している。

塗料の耐用年数を迎えた場合

前回の塗装で使用した塗料の耐用年数が、メンテナンス時期の一つの目安になります。新築の場合は、一般的にアクリル塗料やウレタン塗料が使われていることが多いため、8年~10年が経過したら一度、専門家による点検を受けることをお勧めします。

外壁塗装に適している季節を迎えた場合

外壁塗装は、気温5℃以上、湿度85%未満の条件下で行うのが理想とされています。そのため、天候が安定している春(3月~5月)と秋(9月~11月)が、塗装工事のベストシーズンです。この時期に合わせて計画を立てるのも良いでしょう。

外壁塗装の耐用年数が過ぎた場合に必要な工事

耐用年数を過ぎ、劣化が進行してしまった外壁には、どのような工事が必要になるのでしょうか。放置した期間が長くなるほど、工事の規模は大きくなり、費用も高額になります。

塗り替え工事

最も基本的なメンテナンスです。高圧洗浄で汚れを落とし、下地処理を行った上で、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗りを行うのが一般的です。

【費用目安】60万円~150万円(30坪の住宅の場合)

シーリング補修

劣化した既存のシーリングを撤去して新しく充填する「打ち替え」や、既存のシーリングの上から新しいものを重ねて充填する「増し打ち」を行います。外壁塗装と同時に行うのが一般的です。

【費用目安】15万円~30万円(打ち替えの場合)

外資材の交換工事

塗装だけでは補修できないほど外壁材の劣化(反り、割れ、腐食など)が深刻な場合に行います。既存の外壁材を剥がして新しいものに張り替える「張り替え工事」や、既存の外壁の上から新しい外壁材を重ねて張る「カバー工法(重ね張り)」があります。

【費用目安】150万円~300万円以上

このように、メンテナンスを先延ばしにすると、本来は塗装だけで済んだはずが、シーリング補修や外壁材の交換といった大規模な工事が必要になり、結果的に数百万円単位で費用が跳ね上がってしまうのです。

外壁塗装の耐用年数をできる限り長くするコツ

では、一度行った外壁塗装を、できる限り長く、健康な状態で保つためにはどうすれば良いのでしょうか。そのための重要なコツをご紹介します。

  • 耐久性の高い塗料を選ぶ
    初期費用は高くなりますが、フッ素塗料や無機塗料といった、耐用年数の長い高グレードな塗料を選ぶことは、塗り替えサイクルを延ばし、長期的なトータルコスト(ライフサイクルコスト)を抑えることに繋がります。
  • 信頼できる優良業者に依頼する
    いくら高性能な塗料を使っても、施工する職人の技術が未熟では、その性能を100%引き出すことはできません。高圧洗浄の時間や乾燥時間の厳守、適切な下地処理、塗料の正しい希釈率、丁寧な3回塗りといった基本を忠実に守る、誠実で技術力の高い業者を選ぶことが、塗装を長持ちさせる最大の秘訣です。
  • 定期的な点検を依頼する
    塗装工事が終わった後も、5年に1度程度は施工した業者に点検を依頼しましょう。専門家の目でチェックしてもらうことで、劣化の初期症状を早期に発見し、大規模な修繕が必要になる前に対処できます。
  • 自分でできる範囲で洗浄する
    年に1~2回、外壁に付着したホコリや軽い汚れを、柔らかいブラシやホースの水で優しく洗い流すだけでも、塗膜の劣化を防ぎ、美観を長く保つ効果があります。ただし、高圧洗浄機を自分で使用すると、水圧が強すぎて塗膜を傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。

外壁は年数にこだわらず定期的なメンテナンスが重要

今回は、外壁塗装の耐用年数について、特に「30年」という数字の真実と、お住まいを長持ちさせるための考え方について詳しく解説しました。

「30年もつなら…」と高額な初期投資を考えるよりも、10年~15年周期で、お住まいの状態に合わせた適切なメンテナンスを計画的に行っていくこと。 これが、結果的にお住まいの寿命を最大限に延ばし、トータルの修繕コストを抑える、最も賢明で確実な方法なのです。

アイシーホームペイントは、目先の工事だけでなく、お客様の大切なお住まいの価値を長期的な視点で守ることを第一に考えています。一軒一軒の建物の状態をプロの目で正確に診断し、過剰でも不足でもない、そのお住まいにとって今本当に必要な、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。

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