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外壁塗装のDIYは足場なしでもできる?メリット・デメリットを紹介

マイホームのメンテナンスを考えるとき、特に費用の大きな部分を占める外壁塗装について、このようにDIYを検討される方は少なくありません。専門業者に依頼すると100万円以上かかることもある工事を、自分の手で行うことで大幅にコストカットしたいと考えるのは、自然なことだと思います。

特に、費用の約20%を占めるともいわれる「足場」を設置せずに塗装できれば、さらに費用を抑えられるのではないか、と考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、その「足場なしでのDIY」という選択には、あなたが想像している以上に、大きな、そして取り返しのつかないリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。

この記事では、外壁塗装のプロフェッショナルとして、足場なしでのDIYがいかに危険で、そして非効率であるかという真実を、メリット・デメリットとともに徹底的に解説します。

目次
  1. 外壁塗装は足場なしでDIYできる?
  2. 外壁塗装を足場なしで行う場合の方法
    1. 長柄ローラーを使う
    2. はしごを使う
    3. 脚立を使う
    4. 無足場工法を使う
  3. 足場なしでDIYで外壁塗装を行うメリット
  4. 足場なしでDIYで外壁塗装を行うデメリット
  5. DIYで外壁塗装を行う際のリスク
    1. クレームが入る可能性がある
    2. 怪我のリスクがある
    3. 見た目の仕上がりが悪くなる
    4. 欠陥に気づけない
  6. DIYで行う外壁塗装で足場の設置を用意する方法
    1. 外壁塗装業者に依頼する
    2. 資材を用意して自分で組む
  7. 足場費用の相場
  8. 外壁塗装のDIYは危険でおすすめできない

外壁塗装は足場なしでDIYできる?

物理的には「できる」部分もありますが、安全面・品質面から見て、塗装のプロとしては「絶対に推奨できない」というのが答えです。

例えば、平屋建ての1階部分や、ウッドデッキ、物置といった、地面から手が届く範囲の低い場所を塗装するだけであれば、足場は必要ないかもしれません。

しかし、一般的な2階建て住宅の壁全体を塗装するとなると、話は全く別です。高所での作業は常に墜落・転落の危険と隣り合わせであり、仕上がりの品質を均一に保つことも極めて困難になります。
そもそも、なぜプロの塗装業者が必ず足場を設置するのか。それは、「作業者の安全を確保するため」そして「高品質な塗装を実現するため」という、二つの絶対的な理由があるからです。この大前提を無視して行う足場なしのDIYは、まさに命綱なしの綱渡りをしているようなものなのです。

法律(労働安全衛生規則)でも、事業者は高さ2m以上の場所で作業を行う場合、作業床を設け、手すりを設置するなど、労働者の墜落を防ぐための措置を講じることが義務付けられています。これは、プロの世界では足場の設置が「安全の基本」であることを示しています。DIYだからといって、その危険性が変わるわけではありません。

外壁塗装を足場なしで行う場合の方法

それでも、どうしても足場なしで作業を行う場合、どのような方法が考えられるのでしょうか。ここでは、一般的に用いられる4つの方法と、それぞれに潜む危険性について解説します。

長柄ローラーを使う

それでも、どうしても足場なしで作業を行う場合、どのような方法が考えられるのでしょうか。ここでは、一般的に用いられる4つの方法と、それぞれに潜む危険性について解説します。

このメリットとしては、比較的安価かつ手軽に購入できることです。

一方のデメリットとしては以下が考えられます。

  • 力が伝わりにくい: 壁面から距離があるため、均一な力で塗料を塗ることができず、深刻な塗りムラが発生します。
  • 細かい部分が塗れない: 軒天(屋根の裏側)や窓のサッシ周りなど、複雑な形状の部分をきれいに塗装することは不可能です。
  • 飛散しやすい: 塗料が周囲に飛び散りやすく、近隣の住宅や車を汚してしまうリスクが高まります。

はしごを使う

壁にはしごを立てかけて、高所の作業を行います。一見、手軽に見えますが、最も危険な方法の一つです。

移動が比較的簡単というメリットはありますが、一方で

  • 非常に不安定: 接点が壁と地面の2点しかなく、作業中の体の動きでグラついたり、倒れたりする危険性が極めて高いです。
  • 両手が使えない: 片手ではしごを支えながら、もう一方の手で塗装作業をしなければならず、作業の質が著しく低下します。
  • 壁を傷つける: はしごの先端が壁に直接当たるため、塗装面や既存の外壁材を傷つけてしまう恐れがあります。

という大きいデメリットがあります。

脚立を使う

自立式の脚立を使って作業する方法です。はしごよりは安定しますが、それでも限界があります。

当然高さには限界があり、足場が不安定な場所での使用にも向いていません。

また、作業範囲も狭く何度も脚立を移動させる必要があります。

無足場工法を使う

建物の屋上からロープを垂らし、それにぶら下がって作業を行う、いわゆる「ブランコ作業」です。これは、専門の訓練を受けたプロだけが行える特殊な工法であり、一般の方がDIYで行うことは絶対に不可能です。ロープワークや安全装備に関する高度な知識と技術がなければ、即座に命に関わる事故に繋がります。

足場なしでDIYで外壁塗装を行うメリット

多くの危険性があるにもかかわらず、なぜ足場なしでのDIYが検討されるのでしょうか。そのメリットは、突き詰めればたった一つです。

外壁塗装の総費用において、足場の設置・解体費用は15万円~25万円程度(30坪程度の一般的な住宅の場合)を占めます。この費用が丸々かからなくなるため、初期費用を劇的に抑えることができる。これが唯一にして最大のメリットといえるでしょう。しかし、後述するデメリットやリスクを考えると、このメリットが本当に「お得」なのか、慎重に考える必要があります。

足場なしでDIYで外壁塗装を行うデメリット

費用削減というメリットの裏側には、それを遥かに上回る多くのデメリットが存在します。

  • 作業の危険性が極めて高い: 最大のデメリットです。不安定な足場での作業は、常に墜落・転落のリスクが伴います。一瞬の気の緩みが、命に関わる重大な事故に直結します。
  • 作業効率が著しく悪い: はしごや脚立を何度も移動させたり、長柄ローラーで慎重に塗ったりと、非常に手間と時間がかかります。プロが足場を組んで行えば数日で終わる作業が、数週間、場合によっては数ヶ月かかってしまうこともあります。
  • 塗装の品質が著しく低い: 安定した姿勢で作業ができないため、必ずと言っていいほど「塗りムラ」や「塗り残し」が発生します。また、高圧洗浄や下地処理といった、塗装の耐久性を決める重要な工程も不十分になりがちです。
  • 塗料の飛散リスクが高い: 足場には、塗料が近隣に飛び散るのを防ぐための「飛散防止ネット(メッシュシート)」を張ります。足場がなければこのネットも張れないため、風の強い日などは塗料が飛散し、隣の家の壁や車、洗濯物などを汚してしまう危険性が非常に高くなります。

DIYで外壁塗装を行う際のリスク

デメリットをさらに掘り下げて、足場なしDIYが引き起こす具体的なリスクについて見ていきましょう。これらは、単なる「失敗」では済まない、深刻な問題に発展する可能性があります。

クレームが入る可能性がある

塗料の飛散は、最も起こりやすい近隣トラブルです。お隣の高級車に塗料が付着してしまった場合、その損害賠償額は、足場代を遥かに超える高額なものになる可能性があります。また、作業中の騒音や、長期間にわたる見栄えの悪い作業風景が、ご近所との関係を悪化させる原因にもなり得ます。

怪我のリスクがある

前述の通り、高さ2m以上の場所での作業は、法律で墜落防止措置が義務付けられるほど危険な行為です。厚生労働省の労働災害統計を見ても、建設業における死亡災害の原因として最も多いのが「墜落・転落」です。

プロでさえ、万全の安全対策をしても事故が起こりうる世界で、知識も経験もない方が足場なしで高所作業を行うことが、いかに無謀なことかお分かりいただけると思います。一時的な費用の節約のために、一生後悔するような怪我を負うリスクを冒すべきではありません。

見た目の仕上がりが悪くなる

プロの塗装業者は、足場の上で壁面と適切な距離を保ち、安定した姿勢で作業をすることで、均一で美しい塗膜を形成します。しかし、足場なしの不安定な作業では、以下のような失敗が必ず起こります。

  • 塗りムラ・色ムラ: 力の入れ具合が一定でないため、色が濃い部分と薄い部分がまだら模様になる。
  • 液だれ: 塗料を厚く塗りすぎてしまい、塗料が垂れた跡が残る。
  • 塗り残し: 軒下や窓の上など、見えにくい部分や塗りにくい部分に塗り残しが発生する。

結果として、時間とお金をかけたにもかかわらず、「自分でやりました」と一目で分かるような、見栄えの悪い外壁になってしまいます。

欠陥に気づけない

外壁塗装の目的は、単に色を塗って綺麗にすることだけではありません。建物を雨水や紫外線から守ることが最も重要な役割です。プロの業者は塗装前に、外壁のひび割れ(クラック)、コーキングの劣化、下地の腐食など、建物の劣化状況を詳細に診断し、必要な補修を行います。

しかし、DIYではこれらの重要な欠陥を見逃してしまう可能性が非常に高いです。ひび割れを適切に補修せずに上から塗装しても、すぐにまた同じ場所からひび割れが再発し、そこから雨水が侵入して建物の構造体を腐らせてしまうといった最悪の事態を招きかねません。

DIYで行う外壁塗装で足場の設置を用意する方法

「それでも自分で塗装したいが、安全のために足場だけは設置したい」と考える方もいるかもしれません。その場合の方法を2つご紹介します。

外壁塗装業者に依頼する

最も安全で確実な方法です。外壁塗装業者の中には、足場の設置・解体だけでも請け負ってくれる会社があります。プロが法律に準拠した安全な足場を組んでくれるため、作業の安全性は格段に向上します。ただし、足場だけを依頼する場合、工事全体を依頼するよりも割高になる傾向があります。

資材を用意して自分で組む

ホームセンターなどで単管パイプやクランプといった資材を購入し、自分で足場を組む方法です。費用は抑えられますが、これは絶対に推奨できません。

足場の組み立てには、構造力学に関する専門的な知識と経験が必要です。知識のない人が組んだ足場は非常に不安定で、作業中に崩壊する危険性があります。足場が崩れて自分自身が怪我をするだけでなく、隣家を損傷させたり、通行人に怪我を負わせたりする可能性もあり、極めて危険な行為です。

足場費用の相場

プロに依頼する場合の足場費用の相場は、一般的に1平方メートルあたり700円~1,200円程度です。これに、飛散防止ネットの費用(1平方メートルあたり100円~200円)が加わります。

延床面積30坪の一般的な2階建て住宅の場合、外壁の面積はおおよそ120~150平方メートルになります。足場の面積(外壁面積×1.2~1.3倍程度)を170平方メートルと仮定すると、

(700円~1,200円 + 100円~200円) × 170㎡ = 136,000円~238,000円

となり、おおよそ15万円~25万円程度が足場費用の相場となります。この費用には、資材の運搬費、組み立てと解体の人件費などがすべて含まれています。

外壁塗装のDIYは危険でおすすめできない

今回は、外壁塗装を足場なしでDIYすることの危険性やデメリットについて詳しく解説しました。

費用を抑えたいという気持ちからDIYを検討することは、決して間違いではありません。しかし、外壁塗装に関して言えば、目先の足場代をケチることが、結果的に「危険な上に品質が低く、さらに大きな出費に繋がりかねない」という、最もコストパフォーマンスの悪い選択になってしまう可能性が非常に高いのです。

大切なご自宅を、安全に、そして美しく長持ちさせるために、外壁塗装は専門家である私たちプロにお任せいただくのが最も賢明な選択です。

アイシーホームペイントでは、お客様の安全と満足を第一に考え、法律を遵守した安全な足場の設置から、下地の診断・補修、高品質な塗装まで、一貫して責任を持って施工いたします。無料でのご相談やお見積もりも承っておりますので、「DIYと業者依頼でどれくらい違うのか」「うちの場合は総額でいくらくらいかかるのか」など、どんな些細なことでもお気軽にお問い合わせください。

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