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外壁コーキングの耐用年数はどのくらい?劣化の見分け方と原因を紹介

サイディング外壁の住宅にお住まいの方なら、一度は壁の目地にあるゴム状の素材が気になったことがあるのではないでしょうか。この部分は「コーキング」または「シーリング」と呼ばれ、実は、お住まいの防水性能を担う非常に重要な役割を果たしています。

普段はあまり意識されることのないコーキングですが、塗装された外壁そのものよりも早く劣化が進むことが多く、この部分の劣化を放置することが、雨漏りや建物の構造躯体の腐食といった、深刻なトラブルを引き起こす引き金になるのです。

外壁塗装を成功させる鍵は、塗料選びだけでなく、このコーキングの状態を正しく理解し、適切なタイミングでメンテナンスを行うことにかかっている、と言っても過言ではありません。

この記事では、外壁塗装のプロフェッショナルとして、見落とされがちな「コーキング」に焦点を当て、その役割から耐用年数、劣化の見分け方、そして寿命を延ばすための秘訣まで、専門的な観点から徹底的に解説していきます。大切なマイホームを長く、健康に保つための知識を、ぜひこの記事で身につけてください。

目次
  1. 外壁塗装のコーリングとは
  2. 外壁コーリング材の耐用年数
  3. 外壁コーキングの劣化の見分け方
    1. ブリード現象
    2. 硬化・肉痩せ
    3. ひび割れ・剥がれ
    4. 剥離
  4. 外壁コーキングが劣化する原因
    1. 日光や紫外線
    2. 温度変化
    3. 風雨や湿気
    4. 物理的不可
  5. 外壁コーキングの寿命を伸ばすコツ
    1. 適切な材料を選ぶ
    2. 適切な施工方法を選ぶ
    3. 定期的にメンテナンスする
  6. 外壁コーキングの種類
  7. 外壁コーキングにかかる費用の相場
    1. 打ち替え
    2. 増し打ち
  8. コーキングも定期的なメンテナンスが不可欠

外壁塗装のコーリングとは

外壁のコーキング(シーリングとも呼ばれます)とは、サイディングボードなどの外壁材の継ぎ目(目地)や、窓サッシの周りの隙間を埋めるために充填されている、ゴム状の材料のことです。

このコーキングには、主に2つの非常に重要な役割があります。

  • 防水性の確保:
    建物内部への雨水の侵入を防ぐ「防水の生命線」です。コーキングが隙間をしっかりと塞いでいることで、壁の内部にある柱や断熱材といった重要な構造体が水から守られています。
  • 緩衝材(クッション)の役割:
    建物は、地震や車の振動、温度変化による伸縮など、常にわずかな動きを繰り返しています。コーキングは、その弾力性によって外壁材同士がぶつかり合って破損するのを防ぐ、クッションのような役割も果たしているのです。

このように、コーキングは単なる「隙間埋め」ではなく、建物の防水性と耐久性を支える、縁の下の力持ちのような存在です。この部分が劣化するということは、家の守りに穴が開いてしまうことと同じなのです。

外壁コーリング材の耐用年数

コーキングは、紫外線や風雨に常にさらされているため、外壁の塗装面よりも早く劣化が始まります。その耐用年数は、一般的に5年~15年程度といわれています。

  • 一般的なコーキング材: 5年~10年
  • 高耐久なコーキング材: 10年~15年

注目すべきは、現在主流となっているシリコン塗料の耐用年数が10年~15年であるのに対し、一般的なコーキングの寿命はそれよりも短いという点です。つまり「外壁の塗装はまだ大丈夫でも、コーキングはすでに限界を迎えている」というケースが非常に多く発生します。

そのため、10年に一度の外壁塗装のタイミングで、このコーキングも一緒に新しく「打ち替える」のが、最も効率的で建物を守る上でも最適なメンテナンスサイクルとされています

外壁コーキングの劣化の見分け方

では、ご自宅のコーキングがメンテナンスのサインを出しているかどうか、どのように見分ければ良いのでしょうか。ご自身で簡単にチェックできる、代表的な4つの劣化症状をご紹介します。

ブリード現象

コーキングを充填してから数年後に、コーキングの周りの外壁が黒っぽく汚れてくる現象です。これは、コーキング材に含まれている「可塑剤(かそざい)」という、柔軟性を保つための成分が表面に染み出し、そのベタつきに空気中のホコリやゴミが付着することで発生します。

ブリード現象は、コーキング材と塗料の相性が悪い場合に起こりやすいとされています。すぐに雨漏りに繋がるわけではありませんが、美観を大きく損ない、コーキングが劣化し始めている初期のサインと捉えることができます。

硬化・肉痩せ

コーキングは経年で弾力性を失い、硬くなっていきます。同時に、水分が蒸発することで体積が減り、痩せて細くなっていく「肉痩せ」という現象も起こります。コーキング部分に触れてみて、ゴムのような弾力がなくカチカチになっていたり、目地の両端に隙間ができていたりしたら、防水機能が低下している証拠です。

ひび割れ・剥がれ

硬化がさらに進行すると、建物の揺れや伸縮に追従できなくなり、コーキングの表面に細かいひび割れ(クラック)が生じます。初めは髪の毛のような細いひび割れ(ヘアクラック)ですが、放置すると徐々に深く、大きくなっていきます。このひび割れは、雨水が壁の内部に侵入する直接的な入り口となるため、非常に危険な状態です。

剥離

劣化の末期症状が、この「剥離」です。コーキング材が外壁材から完全に剥がれ落ち、目地の底が見えてしまっている状態を指します。こうなると、コーキングは防水材としての役割を全く果たしておらず、雨水が壁の内部に直接侵入し放題になっています。雨漏りや構造体の腐食に直結する、極めて緊急性の高い状態であり、早急な補修が必要です。

外壁コーキングが劣化する原因

なぜコーキングは劣化してしまうのでしょうか。その主な原因は、過酷な自然環境にあります。

日光や紫外線

コーキングの最大の敵は、太陽光に含まれる紫外線です。紫外線を浴び続けることで、コーキングの弾力性を保つ成分が破壊され、硬化やひび割れが促進されます。そのため、日当たりの良い南面や西面の壁は、他の面よりも劣化が早く進む傾向があります。

温度変化

コーキングは、夏の暑さによる膨張と、冬の寒さによる収縮を日々繰り返しています。この絶え間ない伸縮運動が、徐々にコーキング材に疲労を蓄積させ、劣化を進める原因となります。

風雨や湿気

風で運ばれてくる砂埃や、直接打ち付ける雨も、コーキングの表面を少しずつ摩耗させていきます。また、湿気はコーキング材の密着性を低下させ、剥離を引き起こす一因にもなります。

物理的不可

地震や、大型トラックが近くを通った際の振動など、建物に加わる物理的な揺れも、緩衝材であるコーキングに負荷をかけ、ひび割れや剥離の原因となります。

外壁コーキングの寿命を伸ばすコツ

劣化が避けられないコーキングですが、いくつかのポイントを押さえることで、その寿命を最大限に延ばし、お住まいを長く守ることが可能です。

適切な材料を選ぶ

コーキング材にも、塗料と同じようにグレードがあります。一般的なウレタン系や変成シリコン系のコーキング材の耐用年数が10年前後であるのに対し、近年では「オートンイクシード」に代表されるような、15年~20年という高い耐久性を持つ製品も登場しています。

外壁塗装にフッ素や無機といった高耐久な塗料を選ぶのであれば、コーキングもそれに合わせて高耐久なものを選ぶことが、メンテナンスサイクルのバランスを取る上で非常に重要です。

適切な施工方法を選ぶ

コーキング補修には「打ち替え」と「増し打ち」の2つの方法があります。

  • 打ち替え: 劣化した既存のコーキングを全てカッターで撤去し、新しいコーキングを充填する方法。
  • 増し打ち: 既存のコーキングの上から、新しいコーキングを重ねて充填する方法。

原則として、サイディングの目地など、十分な厚みを確保すべき場所では「打ち替え」が正しい施工方法です。増し打ちは、サッシ周りなど既存のコーキングを撤去できない場所に限定して行われるべきで、安易に行うとすぐに剥がれてしまう原因になります。

また、新しいコーキングを充填する前に「プライマー」という接着剤の役割を果たす下塗り材をきちんと塗布することも、コーキングの密着性を高め、寿命を延ばすために不可欠な工程です。

定期的にメンテナンスする

最も効果的で経済的なのは、外壁塗装とコーキング補修をセットで行うことです。外壁塗装工事では、必ず足場を設置します。この足場があるうちに、コーキングの打ち替えも同時に行ってしまえば、別々に工事を依頼するよりも足場代を一度で済ませることができ、トータルの費用を大きく抑えることができます。

10年~15年に一度、塗装とコーキングを同時にリフレッシュすることが、お住まい全体の健康を長く維持するための、最も賢明なメンテナンス計画といえるでしょう。

外壁コーキングの種類

外壁に使用されるコーキング材には、いくつかの種類があり、それぞれに特性があります。

種類 特徴 主な用途 上から塗装
変成シリコン系 耐候性・耐久性に優れ、塗料がのりやすい。現在、外壁用として最も主流。 サイディング目地、ALC目地、サッシ周り 可能
ウレタン系 密着性が高く、弾力性に富む。ただし紫外線に弱いため、必ず上からの塗装が必要。 サイディング目地、ALC目地、ひび割れ補修 必須
アクリル系 安価で水性のため扱いやすい。ただし耐久性が低く、寿命が短い(5年程度)。 ALC目地、内装用 可能
シリコン系 耐水性・耐熱性に非常に優れる。ただし、塗料を弾いてしまうため、上から塗装ができない。 キッチンや浴室などの水回り、ガラス周り 不可

外壁コーキングにかかる費用の相場

外壁コーキングの補修費用は、施工方法と施工範囲(長さ)によって決まります。

打ち替え

既存のコーキングを撤去し、新しく充填する方法です。

【費用相場】1メートルあたり 900円~1,500円

一般的な30坪程度の住宅の場合、コーキングの総延長は150m~200m程度になることが多く、その場合の総額は13.5万円~30万円程度が目安となります。

増し打ち

既存のコーキングの上から重ねて充填する方法です。

【費用相場】1メートルあたり 700円~1,200円

撤去の手間がない分、単価は安くなりますが、前述の通り適用できる箇所は限られます。安易に全ての箇所を増し打ちで済ませようとする業者には注意が必要です。

これらの費用は、外壁塗装と同時に行う場合の単価であり、コーキング補修だけを単独で依頼する場合は、別途足場代(15万円~25万円程度)が必要になります。

コーキングも定期的なメンテナンスが不可欠

今回は、外壁の防水性と耐久性を支える重要な「コーキング」について、その耐用年数や劣化症状、メンテナンスのコツを詳しく解説しました。

外壁の主役が美しい塗装面だとすれば、コーキングはそのすべてを陰で支える、なくてはならない名脇役です。このコーキングの健康状態を保つことこそが、お住まい全体の寿命を延ばすための、最も確実で重要な鍵となります。

「うちの壁のコーキング、大丈夫かな?」 「そろそろメンテナンスの時期かもしれない」
もし少しでもそう感じたら、それはお住まいが発している大切なサインです。

アイシーホームペイントは、塗装のプロであると同時に、建物の構造を熟知した防水のプロでもあります。お客様のお住まいのコーキングの状態を、専門家の目で一点一点丁寧に診断し、その劣化具合に合わせた最適な補修プランをご提案いたします。

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