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外壁塗装でよくある失敗例を防ぐポイントとともに徹底紹介
2025年06月24日(火)
十数年に一度の外壁塗装は、マイホームの印象を大きく変える絶好の機会です。どんな色にしようかと、カタログや色見本を眺めながら夢を膨らませる時間は、とても楽しいものですよね。しかし、その一方で、色選びは外壁塗装において最も失敗や後悔が多いポイントでもあるのです。
「小さな色見本で見たときは完璧だと思ったのに、実際に壁全体に塗られたらイメージと全然違う…」
「おしゃれだと思って選んだ色が、周りの家から浮いてしまって気まずい…」
「塗りたては綺麗だったのに、すぐに汚れが目立ってきてしまった…」
このような「こんなはずじゃなかった」という後悔は、決して他人事ではありません。外壁塗装は簡単にやり直しがきく工事ではないからこそ、色選びは絶対に失敗したくないものです。
この記事では、外壁塗装のプロフェッショナルとして、これまで多くのお客様の色選びに寄り添ってきた経験から、よくある失敗例とその原因、そして後悔しないための具体的なポイントを徹底的に解説します。
外壁塗装でよくある失敗例
まずは、多くの方が経験しがちな色選びの失敗例を見ていきましょう。これらの失敗がなぜ起こるのかを知ることが、成功への第一歩となります。
イメージと違った
最も多い失敗例が、この「イメージとのギャップ」です。小さな色見本やカタログで見たときは理想的な色に思えたのに、いざ家全体に塗装されると「なんだか思っていたより明るすぎる(または暗すぎる)」「派手に見える」と感じてしまうケースです。
これは、色の「面積効果」が大きく影響しています。同じ色でも、面積が小さいと暗く濃く見え、面積が大きくなると明るく鮮やかに見えるという目の錯覚です。手のひらサイズのサンプルで判断すると、実際に壁一面に塗られたときの色との間に、必ず認識のズレが生じてしまうのです。
周囲と調和しない色を選んでしまった
ご自身の好みだけで個性的な色を選んだ結果、周囲の街並みや隣家の雰囲気から浮いてしまい、悪目立ちしてしまうケースです。家単体で見れば素敵な色でも、景観全体で見たときに調和がとれていないと、落ち着かない印象を与えてしまいます。
また、地域によっては景観法に基づき「景観ガイドライン」が定められており、使用できる色に制限がある場合もあります。周囲への配慮を欠いた色選びは、ご近所トラブルの原因にもなりかねないため、注意が必要です。
ドアと屋根がマッチしなかった
外壁の色ばかりに気を取られ、玄関ドアやサッシ、雨樋、そして屋根の色とのバランスを考えずに選んでしまう失敗例です。外壁の色は素敵でも、既存のパーツの色と合っていないと、家全体として見たときにチグハグでまとまりのない印象になってしまいます。
特に、玄関ドアは「家の顔」ともいえる部分。ここが外壁と喧嘩してしまうと、全体のデザイン性が大きく損なわれます。
汚れが目立ちやすい
真っ白な外壁や、真っ黒でモダンな外壁に憧れる方は多いですが、これらの色は汚れが非常に目立ちやすいという側面があります。
- 白やアイボリーなどの明るい色: 雨だれによる黒っぽい筋状の汚れ(雨筋)や、カビ・苔といった緑色の汚れが目立ちます。
- 黒や濃紺などの暗い色: 砂埃や黄砂、鳥のフンといった白っぽい汚れが非常に目立ちます。
塗りたての美しさを長く保つためには、デザイン性だけでなく、立地環境(交通量が多い、緑が近いなど)を考慮した上で、汚れが目立ちにくい色を選ぶ視点も重要です。
時間や天候で見栄えが悪くなる
色は、当たる光の種類や強さによって見え方が大きく変わります。ショールームの蛍光灯の下で見た色と、太陽光の下で見る色とでは、全く印象が異なります。
さらに屋外では、晴れの日、曇りの日、雨の日、そして朝、昼、夕と時間帯によっても色の見え方は刻々と変化します。「晴れた昼間に見たら綺麗だったのに、曇りの日の夕方に見たら、なんだか暗くて陰気な感じに見える…」といった失敗は、この光の影響を考慮しなかったために起こります。
メンテナンスを考慮していなかった
塗料の色によって、劣化のしやすさが異なる場合があります。特に、赤や黄色といった鮮やかな色は、紫外線の影響を受けやすく、他の色に比べて色褪せが早く進む傾向があります。
デザイン性を追求するあまり、耐候性の低い色を選んでしまうと、次の塗り替えサイクルが早まり、長期的なメンテナンスコストが余計にかかってしまう可能性があります。塗料が持つ機能性(耐候性、低汚染性など)と、色の特性を合わせて考える視点も大切です。
外壁塗装で失敗しないための9つのポイント
では、これらのよくある失敗を防ぐためには、具体的にどのような点に気をつければ良いのでしょうか。絶対に押さえておきたい9つのポイントをご紹介します。
ポイント①必ず色見本を活用する
印刷物であるカタログの色は、実際の塗料の色とは必ず差異があります。色選びの基本は、必ず塗料メーカーが出している「色見本帳」で確認することです。これは実際の塗料を小さな板に塗って作られているため、カタログよりも遥かに正確な色味を把握できます。
ポイント②周りの街並みや建物との調和を考慮する
色選びの際は、一度ご自宅の周りを散策してみましょう。ご近所の家がどのような色を使っているか、街並み全体がどのようなトーンで構成されているかを客観的に観察します。その景観に馴染む色を選ぶことで、悪目立ちすることなく、洗練された印象を与えることができます。
特にこだわりがなければ、周囲の家でよく使われている色系統(ベージュ系、グレー系など)の中から選ぶと、大きな失敗はしにくいでしょう。
ポイント③カラーシミュレーションを活用する
パソコンやタブレット上で、ご自宅の写真を使って塗装後のイメージを確認できる「カラーシミュレーション」は、色選びの非常に便利なツールです。全体の配色バランスや、複数の色パターンを比較検討するのに役立ちます。
ただし、注意点もあります。モニターの色味は、お使いのデバイスや設定によって変わるため、実際の色とは必ず誤差が生じます。カラーシミュレーションは、あくまで「全体の雰囲気や配色のバランスを掴むための補助ツール」と位置づけ、最終的な色の決定は必ず実際の塗り板で行うようにしてください。
ポイント④ドアや屋根との相性を確認する
外壁の色を選ぶ際は、単体で考えず、変更できない部分である「屋根」「玄関ドア」「窓サッシ」「雨樋」などの色との相性を必ず確認しましょう。これらのパーツの色を考慮して外壁の色を選ぶことで、家全体に統一感が生まれ、洗練された印象になります。
塗り板を実際の玄関ドアや窓サッシの横にあてて、相性をチェックするのが効果的です。
ポイント⑤時間や天候による色ツヤの加減を確認する
取り寄せた塗り板は、室内で見るだけでなく、必ず屋外の太陽光の下で確認してください。そして、できる限り「晴れた日の朝・昼・夕」「曇りの日」と、条件を変えて何度も見え方をチェックすることが重要です。
また、塗料には「ツヤあり」「7分ツヤ」「5分ツヤ」「3分ツヤ」「ツヤ消し」といったツヤの度合いがあります。ツヤの有無によっても光の反射が変わり、色の見え方や印象が大きく異なります。ツヤありは光沢があって華やかな印象になりますが、ツヤ消しはマットで落ち着いた印象を与えます。希望する仕上がりのイメージに合わせて、ツヤの度合いも慎重に選びましょう。
ポイント⑥汚れが目立ちにくい色を選ぶ
塗りたての美しさを長持ちさせたいなら、汚れが目立ちにくい色を選ぶのが賢明です。一般的に、グレー、ベージュ、アイボリー、薄いブラウンといった、砂や土の色に近い中間色(アースカラー)は、汚れと同化しやすいため、目立ちにくいとされています。
逆に、真っ白や真っ黒といった原色に近い色は、少しの汚れでもコントラストで際立ってしまうため、こまめな清掃が必要になることを覚悟しておきましょう。
ポイント⑦実績が豊富な業者に依頼する
最終的に、色選びの成功は信頼できる塗装業者に出会えるかどうかにかかっている、といっても過言ではありません。実績が豊富な業者は、これまでの経験から、以下のような的確なアドバイスをしてくれます。
- 人気の配色パターンや、失敗しない色の組み合わせの提案。
- お客様の好みやイメージをヒアリングし、それに合った色を具体的に提案。
- 周辺の景観や、屋根・サッシの色とのバランスを考慮した専門的な視点からの助言。
- 豊富な施工事例の写真を見せてくれる。
複数の業者から話を聞き、提案内容や担当者の対応を比較して、心から信頼できるパートナーを見つけることが、満足のいく色選びに繋がります。
ポイント⑧選ぶ色を2色に抑える
おしゃれな家にしたいと思うあまり、3色、4色とたくさんの色を使いたくなるかもしれませんが、これは非常に難易度の高い配色です。色数が多くなるほど、まとまりがなくなり、ごちゃごちゃとした落ち着かない印象になりがちです。
外壁塗装で失敗しないための基本は、使用する色をベースカラーとアソートカラー(またはアクセントカラー)の2色までに抑えることです。多くても3色までが限界と考えましょう。シンプルな配色の方が、建物のデザイン性を引き立て、飽きのこない洗練された外観に仕上がります。
外壁塗装に失敗しないためにおすすめの色
「いろいろなポイントは分かったけれど、やっぱり具体的にどんな色が人気で、失敗が少ないのか知りたい」という方のために、定番で人気のあるおすすめの色を、その特徴とともにご紹介します。
ベージュ
人気No.1といっても過言ではない、定番中の定番カラーです。温かみがあり、落ち着いた優しい印象を与えます。和風・洋風を問わず、どんなデザインの家にもマッチし、周囲の景観とも調和しやすいのが大きな魅力です。また、砂埃などの汚れが目立ちにくいという実用的なメリットもあります。色選びに迷ったら、まずベージュ系から検討すると良いでしょう。
ブラック
近年、モダンでスタイリッシュな外観を好む方に非常に人気のある色です。重厚感と高級感を演出し、家全体をキリっと引き締めて見せる効果があります。白や木目調の玄関ドアなど、異素材とのコントラストも美しく映えます。ただし、ホコリなどの白い汚れが目立ちやすい点と、熱を吸収しやすいため、夏場に室温が上がりやすくなる可能性がある点には注意が必要です。
グレー
都会的で洗練された印象を与えるグレーも、非常に人気の高い色です。汚れが最も目立ちにくい色系統であり、メンテナンス性に優れています。明るいライトグレーから、重厚なチャコールグレーまで色の幅が広く、他の色との組み合わせもしやすいため、ツートンカラーのベースとしても活躍します。無彩色なので、どんな景観にも馴染みやすい万能カラーです。
ブラウン
木や土を連想させるブラウンは、安心感と高級感のある落ち着いた雰囲気を作り出します。ベージュと同様に汚れが目立ちにくく、周囲の自然とも調和しやすいのが特徴です。濃いブラウンは重厚な印象に、明るいブラウンはナチュラルで優しい印象になります。レンガ調や木目調のサイディングとの相性も抜群です。
ホワイト
清潔感と明るさがあり、家を大きく見せる効果があるホワイトは、根強い人気を誇る色です。どんな色とも相性が良いため、屋根や付帯部の色を選ばず、すっきりとまとまります。シンプルで飽きのこないデザインを好む方におすすめです。ただし、雨筋などの汚れが最も目立ちやすい色でもあるため、美観を保つためには、汚れにくい機能を持つ塗料を選ぶなどの工夫が必要です。
イエロー
明るく陽気で、温かみのある家庭的な印象を与えるイエロー。淡いクリームイエローであれば、周囲の景観にも馴染みやすく、個性も演出しやすいでしょう。洋風の可愛らしいデザインの住宅によく似合います。ただし、原色に近い鮮やかな黄色は、紫外線で色褪せしやすい傾向があるため、耐候性の高い塗料を選ぶことが推奨されます。
グリーン
木や森などの自然を連想させ、安らぎと落ち着きを与えてくれるグリーン。周囲の植栽ともよく調和します。淡いパステルグリーンは爽やかで優しい印象に、深みのあるモスグリーンはシックで重厚な印象になります。個性的でありながら、景観にも馴染みやすいバランスの取れた色です。
オレンジ
南欧の住宅を思わせる、明るくおしゃれな雰囲気を演出できるオレンジ。暖色系であるため、温かい家庭のイメージを与えてくれます。非常に個性的で目立つ色なので、周囲の景観との調和を十分に考慮する必要があります。淡いトーンのオレンジを選んだり、アクセントカラーとして部分的に使用したりするのがおすすめです。
外壁塗装の色選びは慎重に行い失敗を防ごう
外壁塗装の色選びは、単に家の見た目を変えるだけでなく、その後の住み心地やメンテナンス性、さらにはご近所付き合いにまで影響を及ぼす、非常に奥が深いプロセスです。
これらのポイントを押さえておけば、色選びで大きく失敗するリスクは格段に減らすことができます。
そして、最終的にあなたの理想の色選びを実現するために最も重要なのは、豊富な経験と知識を持ち、お客様一人ひとりの想いに真摯に寄り添ってくれる塗装業者をパートナーに選ぶことです。
外壁塗装の色選びに迷ったら、アイシーホームペイントにご相談ください。お客様のご要望をお聞きし、最適な色を提案させていただきます。
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